共済貯金 vs つみたてNISA｜どっちが教員に合ってる？比較と選び方
教員は「給与が安定」している一方で、将来の備え（退職後・教育費・住まい）をどう作るか悩む方が多いです。
ここでは、教員に人気の共済貯金（共済組合の積立貯金）と、税制優遇のある投資「つみたてNISA（新NISA制度のつみたて枠含む）」を比較し、目的別のおすすめを解説します。
Contents
まずは仕組みを簡単に確認
共済貯金とは？
共済貯金は、教職員など組合員向けに共済組合が行う貯金制度です。給与天引きで積み立てられ、組合が運用して利息を支払います。
銀行預金より利率が高めに設定されていることが多く、組合員限定の福利厚生的な金融商品です。具体的な運用・利率は組合ごとに異なります
つみたてNISA（＝長期・積立の税制優遇制度）とは？
つみたてNISAは、一定の条件を満たす投資信託などに対して、運用で得た利益が非課税になる制度です。
2024年以降の「新NISA」では、統合された枠の中に「つみたて投資枠（以前のつみたてNISAに相当）」があり、税制優遇や非課税枠の取り扱いが拡充されています（制度詳細は年ごとに確認が必要）。
主要ポイントで比較（安全性 / 利回り / 税制 / 流動性）
| 比較項目 | 共済貯金 | つみたてNISA（投資） |
|---|---|---|
| 安全性 | 高い（組合運営で元本が事実上守られている仕組み。万が一の際は組合独自の補填制度がある場合あり）。 | 変動あり（投資なので元本割れリスクあり）。長期分散投資でリスク低減が期待できる。 |
| 期待利回り（目安） | 低〜中（共済貯金は組合により利率が違う。例：私学の共済積立で年利0.35%の適用例あり） | 中〜高（投資信託の選び方で変動。過去の株式中心インデックスは長期でプラスが期待できるが保証はない） |
| 税制上の優遇 | 特になし（利子は課税対象） | 運用益が非課税（NISAの非課税枠の中で運用できる）。新NISAでは枠等が拡充されている。 |
| 流動性（引き出しやすさ） | 割と良いが組合規約による（給与天引きの仕組みや引き出し手続きで制約がある場合あり） | 基本的にいつでも売却可（売却すると非課税枠が再利用できない等のルールあり） |
教員にとっての「現実的な選び方」
目的別のおすすめ
- 短期の生活予備（安心資金）を作りたい → 共済貯金が向く （安全性が高く、給与天引きで確実に積み立てやすい）。
- 長期の資産形成（退職後資金・長期投資）を考える → つみたてNISAがおすすめ （非課税で複利効果を活かせる。特に長期投資での運用益が税制面で有利）。
- バランスを取りたい（安全＋成長） → 「共済貯金を安全資金に、つみたてNISAで成長部分を積立てる」ハイブリッドがおすすめ
教員ならではの注意点
- 共済貯金の利率・引き出しルールは組合ごとに違うので、加入している共済組合の案内を必ず確認すること。
- つみたてNISA（新NISA含む）の非課税枠や対象商品は制度改正で変わる可能性があるため、制度の最新情報を確認して運用枠を有効活用すること。
- 給与・賞与の残債や住宅ローンなど優先したい負債がある場合は、まず緊急予備資金（生活防衛資金）を確保してから投資を始めるのが安全。
実例で考える：年額40万円をどちらに回すか（イメージ）
※以下はあくまで概算イメージです（実際の利率や運用結果は変わります）。
- 共済貯金：年利0.35%で40万円を20年積立 → 元利合計はほぼ元本＋利息（運用は安定だが利息は限定的）。
- つみたてNISA：年平均リターン3〜5%（長期の期待値として）で40万円を20年積立 → 運用益が非課税のため複利効果が高く、将来の資産額は大きく差がつく可能性あり（ただし元本割れリスクもある）
まとめ：教員には“両方使う”のが現実的
結論として、教員の働き方・収入構造を踏まえると、
- まずは「共済貯金」で生活防衛資金を確保
- 余裕資金は「つみたてNISA」で長期投資（非課税の恩恵を活かす）
という組合せが現実的でおすすめです。どちらか一方だけでなく、目的（短期の安全 vs 長期の成長）に応じて使い分けるのが賢い選択です。
最後に：チェックリスト（はじめる前に）
- 【共済貯金】加入組合の「利率」「引き出しルール」「手続き」を確認する。
- 【つみたてNISA】現在の非課税枠・対象商品・口座開設手順を証券会社で確認する。
- 緊急予備資金（生活3〜6か月分）をまず確保する
- 長期目標（退職時の目標資産額、教育費など）を設定する
