Contents
  1. はじめに
  2. 目次
  3. 1. 2025年のクマ出没状況と学校への影響
  4. 2. 登下校時の安全対策
  5. 3. 校内でクマに遭遇した場合の対応
  6. 4. 事前準備:学校ができる10の対策
  7. 5. クマ対策避難訓練の実施方法
  8. 6. 保護者への情報共有
  9. 7. おすすめの防犯グッズ
  10. 8. よくある質問
  11. まとめ:児童生徒の命を守るために
  12. 参考リンク
  13. 【重要】保護者・地域の皆様へ

はじめに

「学校の近くでクマが目撃されました」

この連絡を受けたとき、あなたはどう対応しますか?

2025年は全国でクマの出没が過去最多を記録し、学校周辺での目撃情報も急増しています。私自身、教員として7年間勤務する中で、実際にクマ対策の必要性を痛感してきました。

この記事では、学校現場で実践できる具体的なクマ対策を、登下校から校内対応、避難訓練まで網羅的に解説します。児童生徒の命を守るため、今すぐ実践できる内容をまとめました。


目次

  1. 2025年のクマ出没状況と学校への影響
  2. 登下校時の安全対策
  3. 校内でクマに遭遇した場合の対応
  4. 事前準備:学校ができる10の対策
  5. クマ対策避難訓練の実施方法
  6. 保護者への情報共有
  7. おすすめの防犯グッズ
  8. よくある質問

1. 2025年のクマ出没状況と学校への影響

クマ被害の現状

2025年は「クマ出没の当たり年」と言われています。

主な統計データ

  • 全国でのクマによる人身被害:過去10年で最多
  • 学校周辺での目撃情報:前年比150%増
  • 出没時期:春〜秋だけでなく、冬季も報告あり

なぜ学校にクマが出没するのか

クマが学校周辺に出没する理由は主に3つあります。

  1. 餌不足による行動範囲の拡大
    • 山の木の実が不作
    • 住宅地・学校まで餌を求めて移動
  2. 学校周辺の環境
    • 果樹や畑が近い
    • ゴミ置き場が餌場になっている
    • 裏山や雑木林が隣接
  3. 人への警戒心の低下
    • 若いクマの増加
    • 人間の活動エリアへの侵入が常態化

学校での実際の事例

事例1:登校中の遭遇

  • 小学校で、登校中の児童がクマと50m先で遭遇
  • 幸い、引率の保護者が大声を出して追い払った
  • その後、1週間は集団登校を徹底

事例2:校庭への侵入

  • 中学校で、早朝の部活動中に校庭にクマが侵入
  • すぐに生徒を校舎内に避難させ、警察に通報
  • 1時間後にクマは自然に退去

このような事例は決して他人事ではありません。


2. 登下校時の安全対策

基本原則:3つの「ない」

登下校時のクマ対策は、この3原則を守ることが重要です。

  1. 一人で歩かない
  2. 静かに歩かない
  3. 早朝・夕方に歩かない

具体的な対策

① 集団登下校の徹底

実施方法

  • 最低3人以上のグループで登下校
  • 低学年は保護者や地域ボランティアの付き添い
  • 決められたルートを守る

効果

  • クマは集団を避ける習性がある
  • 万が一遭遇しても、大人数なら対応しやすい

② 鈴やラジオで音を出す

おすすめグッズ

  • 熊鈴(カラビナ付き)
  • 小型ラジオ
  • ホイッスル

クマは人間の存在に気づけば、基本的に逃げていきます。音を出して「人間がいる」ことを知らせましょう。

【おすすめ熊鈴】

  • コンパクトで音が大きい「モンベル 熊鈴」
  • ランドセルに取り付けやすい「カラビナ付き熊鈴」

③ 明るい時間帯の登下校

時間帯の調整

  • 登校:日の出後30分以降
  • 下校:日没1時間前まで
  • 部活動:早朝練習の見直し

クマは早朝・夕方に活動が活発になります。可能な限り明るい時間帯に登下校しましょう。

④ 危険箇所の把握

チェックすべき場所

  • 雑木林や藪の近く
  • 河川敷
  • 見通しの悪い場所
  • 果樹園や畑の近く

これらの場所は特に注意が必要です。通学路マップに危険箇所を記載し、児童生徒に周知しましょう。

万が一、クマに遭遇したら

遭遇時の行動

  1. 絶対に走らない
    • 走ると追いかけてくる習性がある
  2. 大声を出す
    • 「オーイ!」と叫ぶ
    • ホイッスルを吹く
  3. ゆっくり後退
    • クマから目を離さず、静かに距離を取る
  4. 物を投げない
    • 刺激して攻撃的にさせる可能性

距離別の対応

  • 100m以上:冷静に立ち去る
  • 50m以内:大声を出して威嚇
  • 10m以内:クマスプレー使用を検討

3. 校内でクマに遭遇した場合の対応

発見時の初動対応(5分以内)

STEP1:生徒の安全確保(最優先)

やるべきこと

  1. 近くの生徒を直ちに校舎内に避難させる
  2. 校内放送で全校に警告
  3. 窓・ドアの施錠を確認

放送例 「緊急連絡です。校庭にクマが出没しました。全員、直ちに教室に入り、窓とドアを閉めてください。外にいる生徒は、最寄りの校舎に避難してください。」

STEP2:通報(5分以内)

連絡先の優先順位

  1. 警察(110番)
  2. 自治体の環境課・農林課
  3. 教育委員会
  4. 近隣の学校

通報時に伝える情報

  • クマの位置(校庭、駐車場など)
  • クマの大きさ(推定体長)
  • 生徒の安全確保状況
  • 学校の住所と連絡先

STEP3:情報共有

校内での情報共有

  • 全教職員に状況を共有
  • クマの位置を随時更新
  • 避難状況の確認

クマが校舎内に侵入した場合

最悪のシナリオへの対応

  1. 教室のドアを施錠
  2. 窓から離れる
  3. 生徒を廊下側に集める
  4. 静かに待機

クマは基本的に人間を避けます。騒がず、刺激しないことが重要です。

避難完了後の対応

確認事項

  • 全生徒の人数確認
  • 怪我人の有無
  • 保護者への連絡
  • 下校時刻の変更判断

保護者への連絡例 「本日、校庭にクマが出没したため、児童を校舎内に避難させました。現在、クマは退去し、安全を確認しています。念のため、本日は保護者のお迎えをお願いいたします。」


4. 事前準備:学校ができる10の対策

① クマ対策マニュアルの作成

マニュアルに含めるべき内容

  • 発見時の初動対応フロー
  • 通報先一覧(連絡先を記載)
  • 避難場所の指定
  • 役割分担表

② 避難訓練の実施

年に1〜2回、クマ遭遇を想定した避難訓練を実施しましょう。

訓練の流れ

  1. クマ発見の想定
  2. 校内放送
  3. 避難開始
  4. 人数確認
  5. 振り返り

詳しい訓練方法は後述します。

③ 通学路の安全点検

点検のポイント

  • 見通しの悪い場所
  • 藪や雑木林の近く
  • 街灯の有無
  • 緊急避難場所の確認

年2回(春・秋)の点検を推奨します。

④ 防犯グッズの配備

学校に常備すべきもの

  • 熊鈴(複数個)
  • ホイッスル
  • クマスプレー(教職員用)
  • 拡声器
  • 懐中電灯

予算の目安

  • 熊鈴:1個500〜1,500円
  • クマスプレー:1本5,000〜8,000円
  • ホイッスル:1個200〜500円

合計:1〜2万円で基本セットが揃います

⑤ 校舎周辺の環境整備

やるべきこと

  • 草刈りの徹底(見通し確保)
  • 果樹の管理(落下した実の除去)
  • ゴミ置き場の管理(臭いが出ないように)
  • 照明の増設(夜間の視認性向上)

⑥ 監視カメラの設置

効果

  • クマの侵入ルートの把握
  • 早期発見
  • 記録として残せる

設置場所

  • 校門
  • 校庭
  • 裏門
  • 駐車場

最近は安価な防犯カメラも増えています。

⑦ 地域との連携

連携先

  • 警察
  • 自治体(環境課、農林課)
  • 猟友会
  • 近隣住民
  • 他の学校

定期的に情報交換の場を設けましょう。

⑧ 保護者への啓発

周知方法

  • 学校だより
  • メール配信
  • 保護者会での説明
  • チラシ配布

保護者の協力が不可欠です。

⑨ 教職員研修の実施

研修内容

  • クマの生態と行動パターン
  • 遭遇時の対応方法
  • 避難訓練のシミュレーション
  • 救急救命講習

年1回、全教職員対象の研修を推奨します。

⑩ 情報収集体制の構築

情報源

  • 自治体の出没情報メール
  • 近隣学校との情報共有
  • 地域住民からの情報
  • ニュース・SNS

リアルタイムの情報が命を守ります。


5. クマ対策避難訓練の実施方法

訓練の目的

  • 発見から避難までの流れを確認
  • 教職員の役割分担の明確化
  • 児童生徒の意識向上

訓練の実施手順

事前準備(1週間前)

  1. 訓練計画の作成
    • 日時の設定
    • シナリオの作成
    • 役割分担の決定
  2. 教職員への周知
    • 職員会議で説明
    • マニュアルの配布
  3. 保護者への通知
    • 訓練実施の連絡
    • 目的と内容の説明

訓練当日の流れ(30分)

シナリオ例:校庭にクマ出没

時間内容担当
0分クマ発見(想定)教員A
1分校内放送教頭
2分生徒避難開始各担任
5分通報(訓練)事務職員
10分人数確認各担任
15分校長講評校長
20分振り返り全体

放送台本例

「訓練、訓練。校庭にクマが出没しました。
外にいる生徒は、直ちに最寄りの校舎に避難してください。
教室にいる生徒は、窓とドアを閉めて、静かに待機してください。
これは訓練です。落ち着いて行動してください。」

振り返りのポイント

確認事項

  • 避難完了までの時間
  • 連絡体制の機能
  • 改善点の洗い出し

生徒への質問

  • どこに避難すればいい?
  • クマに遭遇したらどうする?
  • 走って逃げていい?(答え:ダメ)

訓練の頻度

  • 年2回:春(5月)、秋(10月)
  • 不定期:出没情報が多い時期

6. 保護者への情報共有

情報共有の重要性

保護者が正しい知識を持つことで、家庭でも対策が可能になります。

共有すべき情報

① クマ出没情報

共有方法

  • メール配信(即時)
  • 学校HP(随時更新)
  • 学校だより(月1回)

記載内容

  • 日時・場所
  • 状況(目撃情報、足跡など)
  • 学校の対応
  • 家庭でできる対策

② 登下校時の注意点

保護者へのお願い

  • 集団登下校の協力
  • 登下校時の見守り
  • 熊鈴の携帯
  • 危険箇所の確認

③ 家庭でできる対策

チェックリスト形式で配布

  • [ ] 熊鈴を持たせる
  • [ ] 明るい時間帯に登下校
  • [ ] 一人で歩かせない
  • [ ] クマに遭遇したときの行動を確認
  • [ ] 緊急連絡先を共有

保護者会での説明

説明内容

  1. クマの生態と危険性
  2. 学校の対策
  3. 家庭での協力依頼
  4. 質疑応答

実物の熊鈴やクマスプレーを見せると効果的です。


7. おすすめの防犯グッズ

① 熊鈴

選び方のポイント

  • 音が大きい(100m先まで聞こえる)
  • 軽量(50g以下)
  • カラビナ付き(取り付けやすい)

おすすめ商品

  1. モンベル 熊鈴
    • 価格:1,200円前後
    • 音が大きく、軽量
    • 登山用品店で購入可能
  2. カラビナ付き熊鈴(Amazon)
    • 価格:500〜800円
    • 手軽に購入可能
    • 複数個セットでお得

② クマスプレー

注意点

  • 18歳以上の使用を推奨
  • 風向きに注意
  • 使用期限の確認(3〜5年)

おすすめ商品

  1. UDAP マグナム クマ撃退スプレー
    • 価格:7,000円前後
    • 射程:9m
    • プロも使用
  2. カウンターアソールト
    • 価格:6,000円前後
    • 射程:10m
    • 世界的に信頼性が高い

購入場所

  • 登山用品店
  • Amazon、楽天
  • 一部のホームセンター

③ ホイッスル

選び方のポイント

  • 大音量(120dB以上)
  • 軽量で携帯しやすい
  • 濡れても使える

おすすめ商品

  • モルテン 電子ホイッスル
    • 価格:3,000円前後
    • 電子音で確実
    • 体力を使わない

④ 防犯カメラ

選び方のポイント

  • 夜間撮影可能
  • 防水・防塵
  • 録画機能付き

おすすめ商品

  • パナソニック 屋外カメラ
    • 価格:2〜3万円
    • 高画質
    • スマホで確認可能

⑤ ラジオ

選び方のポイント

  • 小型・軽量
  • 電池式
  • 防水

おすすめ商品

  • ソニー ポケットラジオ
    • 価格:2,000円前後
    • コンパクト
    • 音質良好

8. よくある質問

Q1. クマに遭遇したら、死んだふりは有効?

A. 絶対にダメです。

死んだふりは効果がないだけでなく、非常に危険です。クマは好奇心が強く、動かない物体に近づいてくる可能性があります。

正しい対応は「大声を出す」「ゆっくり後退」です。

Q2. クマスプレーの使い方は?

A. 最終手段として使用します。

使用方法

  1. クマが10m以内に接近したら準備
  2. 風上に立つ(風下だと自分にかかる)
  3. クマの顔に向けて噴射
  4. 噴射しながら後退

注意点

  • 事前に練習(空スプレーで)
  • 期限切れに注意
  • 子どもには持たせない

Q3. 冬はクマは冬眠するから安全?

A. 必ずしも安全ではありません。

近年は暖冬の影響で、冬眠しないクマや冬眠から早く目覚めるクマが増えています。冬でも油断せず、対策を続けましょう。

Q4. クマが好む食べ物は?

A. 雑食性で、何でも食べます。

特に好むもの:

  • ドングリ、木の実
  • 果物(柿、リンゴなど)
  • 野菜(トウモロコシ、イモ類)
  • 蜂の巣(蜂蜜)
  • 生ゴミ

学校周辺に果樹がある場合は、落下した実をこまめに除去しましょう。

Q5. クマ除けの柵は効果ある?

A. 一定の効果はあります。

電気柵は特に効果的ですが、学校では設置費用や安全面の課題があります。

現実的な対策:

  • 侵入しにくい環境整備(草刈り、照明)
  • 監視カメラの設置
  • 定期的なパトロール

Q6. クマに噛まれたらどうする?

A. 直ちに救急車を呼び、応急処置を行います。

応急処置

  1. 傷口を清潔な布で圧迫止血
  2. 患部を心臓より高い位置に
  3. 動かさず、安静にする
  4. 救急車到着まで容態を観察

絶対にやってはいけないこと

  • 傷口を洗う(感染リスク)
  • 無理に動かす
  • 放置する

Q7. 学校の予算が少ない。最低限必要なものは?

A. 熊鈴とホイッスルは必須です。

最低限の装備(予算5,000円)

  • 熊鈴 × 10個:5,000円
  • ホイッスル × 10個:3,000円
  • 拡声器(既存のものを活用)

まずはこれだけでも揃えましょう。予算が確保できたら、クマスプレーや防犯カメラを追加します。


まとめ:児童生徒の命を守るために

クマ対策は「備えあれば憂いなし」です。

今日からできること

  1. クマ対策マニュアルの作成
  2. 避難訓練の計画
  3. 防犯グッズの購入
  4. 保護者への情報共有
  5. 教職員研修の実施

この記事が、一人でも多くの児童生徒の命を守ることに繋がれば幸いです。


参考リンク


【重要】保護者・地域の皆様へ

学校だけでは、クマ対策は完結しません。保護者、地域住民、行政、学校が一体となって取り組むことが重要です。

ご協力をお願いします

  • 登下校の見守り
  • クマ目撃情報の共有
  • 家庭での安全教育

子どもたちの安全を、一緒に守りましょう。

ABOUT ME
ひと息さん
ひと息さん
7年間教員として子どもたちや保護者と関わる中で、「人生の計画を立てることの大切さ」を感じてきました。先生の仕事、プライベートの充実、節約貯金投資など、頑張りすぎず、でも前向きに。そんな働き方や暮らし方を一緒に考えられる場を目指します。FP3級/メンタルヘルス・マネジメント2種3種/基本情報技術者試験