2026年度、教員の手取りは実際いくら増える?社会保険料・税金まで計算してみた

「給特法改正で給料が上がるって聞いたけど、実際いくら増えるの?」
2026年1月から教職調整額が引き上げられることが決まりましたが、多くの先生方が気になっているのは「額面」ではなく「手取り」ではないでしょうか。
この記事では、2026年1月から毎年1%ずつ段階的に引き上げられる教職調整額について、社会保険料や税金を差し引いた実際の手取り増加額を年代別にシミュレーションしてみました。
教職調整額引き上げのスケジュール
まず、改正給特法による教職調整額の引き上げスケジュールを確認しましょう。
- 2026年1月:給料月額の4%→5%(+1%)
- 2027年1月:5%→6%(+1%)
- 2028年1月:6%→7%(+1%)
- 2029年1月:7%→8%(+1%)
- 2030年1月:8%→9%(+1%)
- 2031年1月:9%→10%(+1%)
毎年1%ずつ、6年かけて段階的に引き上げられます。教職調整額の増額は給特法が施行された1972年以降、初めてのことです。
手取り計算の前提知識
給料が上がっても、手取りが同じだけ増えるわけではありません。なぜなら、給料が増えると以下のものも増えるからです。
差し引かれるもの
- 厚生年金保険料(18.3%、本人負担9.15%)
- 健康保険料(約10%、本人負担約5%)
- 介護保険料(40歳以上、1.59%、本人負担0.795%)
- 雇用保険料(0.6%、本人負担)
- 所得税(給与額に応じて5〜45%)
- 住民税(翌年度から、所得割10%)
つまり、給料が増えた分の約20〜30%が社会保険料や税金として差し引かれると考えてください。
年代別・手取り増加額シミュレーション
それでは、実際にどれくらい手取りが増えるのか、年代別に見ていきましょう。
前提条件
- 東京都在住
- 独身(扶養家族なし)
- 社会保険料率:厚生年金9.15%、健康保険5%程度
- 手取り計算は概算(実際の金額は個人の状況により異なります)
【20代教員】初任〜5年目
想定給料月額:25万円
2026年1月(調整額4%→5%)
- 調整額増加:25万円×1%=2,500円/月
- 社会保険料増加:2,500円×約14%=約350円
- 所得税増加:約125円
- 手取り増加:約2,000円/月
- 年間手取り増加:約24,000円
2031年1月(調整額4%→10%)
- 調整額増加:25万円×6%=15,000円/月
- 社会保険料増加:15,000円×約14%=約2,100円
- 所得税・住民税増加:約900円
- 手取り増加:約12,000円/月
- 年間手取り増加:約144,000円
【30代教員】6年目〜15年目
想定給料月額:35万円
2026年1月(調整額4%→5%)
- 調整額増加:35万円×1%=3,500円/月
- 社会保険料増加:3,500円×約14%=約490円
- 所得税増加:約350円
- 手取り増加:約2,700円/月
- 年間手取り増加:約32,000円
2031年1月(調整額4%→10%)
- 調整額増加:35万円×6%=21,000円/月
- 社会保険料増加:21,000円×約14%=約2,940円
- 所得税・住民税増加:約2,100円
- 手取り増加:約16,000円/月
- 年間手取り増加:約192,000円
【40代教員】16年目〜25年目
想定給料月額:45万円(学年主任など)
2026年1月(調整額4%→5%)
- 調整額増加:45万円×1%=4,500円/月
- 社会保険料増加:4,500円×約14%=約630円
- 所得税増加(税率10%):約450円
- 手取り増加:約3,400円/月
- 年間手取り増加:約41,000円
2031年1月(調整額4%→10%)
- 調整額増加:45万円×6%=27,000円/月
- 社会保険料増加:27,000円×約14%=約3,780円
- 所得税・住民税増加:約4,300円
- 手取り増加:約19,000円/月
- 年間手取り増加:約228,000円
【50代教員】26年目以上
想定給料月額:50万円(教頭・副校長など)
2026年1月(調整額4%→5%)
- 調整額増加:50万円×1%=5,000円/月
- 社会保険料増加:5,000円×約14%=約700円
- 所得税増加(税率20%):約1,000円
- 手取り増加:約3,300円/月
- 年間手取り増加:約40,000円
2031年1月(調整額4%→10%)
- 調整額増加:50万円×6%=30,000円/月
- 社会保険料増加:30,000円×約14%=約4,200円
- 所得税・住民税増加:約6,000円
- 手取り増加:約20,000円/月
- 年間手取り増加:約240,000円
わかりやすい比較表
| 年代 | 給料月額 | 2026年1月の手取り増 | 2031年1月の手取り増 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 25万円 | 約2,000円/月 | 約12,000円/月 |
| 30代 | 35万円 | 約2,700円/月 | 約16,000円/月 |
| 40代 | 45万円 | 約3,400円/月 | 約19,000円/月 |
| 50代 | 50万円 | 約3,300円/月 | 約20,000円/月 |
年間では約24,000円〜240,000円の手取り増加が見込まれます。
担任手当も追加される(月3,000円)
さらに、2026年度から学級担任への加算として月3,000円程度の担任手当が検討されています。
担任を持つ先生の場合:
- 担任手当の手取り増加:約2,300円/月
- 年間手取り増加:約28,000円
これを合わせると、例えば30代の担任の先生なら、2026年1月時点で月約5,000円、年間約60,000円の手取り増加になります。
実際の生活への影響は?
「月2,000円〜3,000円じゃ、大して変わらないじゃないか」と思われるかもしれません。確かに、2026年1月時点では劇的な変化ではありません。
しかし、2031年まで段階的に増えていくことを考えると:
- 20代教員:年間14万円増→スマホ代や通信費の年間分
- 30代教員:年間19万円増→月1.6万円の外食やレジャー費
- 40代教員:年間23万円増→年1回の家族旅行費用
- 50代教員:年間24万円増→老後資金の積み立て
このように考えると、生活の質を少し上げられる金額になります。
注意点:手取りが減るケースも
ただし、以下のケースでは注意が必要です。
1. 特別支援学校・学級の調整額が減額
特別支援学校・特別支援学級の教員に支払われている給料の調整額が2026年度から引き下げられることが明らかになっています。この場合、教職調整額が増えても、全体としては手取りが増えないか、むしろ減る可能性があります。
2. 社会保険料の標準報酬月額が変わる場合
給与が増えることで、社会保険料の「標準報酬月額」の等級が上がり、社会保険料がさらに増える可能性があります。
3. 扶養控除に影響する場合
配偶者を扶養に入れている場合、年収が増えることで配偶者特別控除の額が変わる可能性があります。
まとめ:長期的には確実にプラス
2026年1月時点では、手取りで月2,000〜3,000円程度の増加にとどまりますが、2031年には月12,000〜20,000円程度の増加が見込まれます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 2026年1月 | 手取り月2,000〜3,000円増 |
| 2031年1月 | 手取り月12,000〜20,000円増 |
| 担任手当 | 手取り月約2,300円増 |
| 年間合計(2031年) | 約14万〜24万円増 |
「定額働かせ放題」の抜本的な解決にはなりませんが、約50年ぶりの処遇改善として、確実に前進していると言えるでしょう。
皆さんの給料明細を見ながら、実際の増額を確認してみてくださいね。








