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中学校の部活動は廃止すべきか?7年間教員が見た「現場のリアル」と今後のあり方

はじめに:なぜ「部活動廃止」が議論されるのか

近年、中学校の部活動を「廃止すべきではないか」という声が全国で高まっています。背景には、教員の長時間労働、生徒数減少、地域との連携の難しさなど、複数の課題があります。私自身も7年間教員として部活動指導に関わり、部活が抱える問題と価値を両面から見てきました。本記事では、部活動廃止が議論される理由と、今後のあり方について深掘りします。

教員の負担が限界に近づいている

部活動が廃止論に向かう最大の要因は、教員の過剰負担です。平日は授業や会議の後に指導し、土日は大会や練習でほぼ休みが取れない。特に中堅・若手教員の多くは「部活がなければ教員を続けたい」という声を上げています。

授業準備の時間が奪われる

本来、教員の最も重要な仕事は授業づくりです。しかし実際には、部活動のために授業研究や生徒指導に割く時間が削られてしまうことも少なくありません。その結果、教員の本業である学習指導の質が下がるリスクがあります。

長時間労働で心身が疲弊する

部活動は「無償の熱意」に依存して成り立ってきました。ですが、時代は変わりました。教員が疲弊することで、生徒にも悪影響が出てしまいます。

生徒側にも見逃せないデメリット

「部活は楽しい」という生徒がいる一方で、部活が原因で学校生活が苦しくなるケースもあります。

選択肢が少ない地域は特に不利

地方では、生徒数が減り部員が集まらず、十分な活動ができない部も増えています。その結果、生徒の「本当にやりたいこと」ができないまま、中途半端な活動を続けることになります。

顧問の専門外による指導の質の問題

専門外の教員が指導する場面は珍しくありません。結果として生徒が怪我をしたり、効率の悪い練習になったりすることもあります。安全性の確保という観点でも課題は大きいです。

部活動は“廃止”ではなく“地域移行”へ

結論として、部活動は「学校で完全に廃止」ではなく、「学校外へ移行」する流れが現実的です。国も自治体も、今後は「地域クラブ化」を推進していく方向です。

地域クラブ化のメリット

  • 専門コーチが指導でき、質が向上する
  • 教員が授業づくりに専念できる
  • 地域と子どもの交流が生まれる
  • 競技・文化活動の選択肢が増える

一方で課題も残る

費用負担が大きくなる、移動手段が確保できないなど、保護者や地域の協力が必要不可欠です。学校が担っていた“無料のアクセスの平等”が失われる点にも慎重な議論が求められます。

これからの中学校部活動の理想像とは

私が考える理想は、「学校で最低限の活動は残しつつ、専門的な競技・文化活動は地域が担う」というハイブリッド型です。すべてを学校が背負う時代ではなく、生徒がより自由に、より安全に活動できる仕組みづくりが重要だと感じています。

まとめ:部活動の“価値”は残しつつ、形をアップデートする時代

部活動は、生徒の成長や仲間づくり、先生との信頼関係など、多くの価値があるのは事実です。しかし同時に、その運営を教員だけに依存する仕組みは限界を迎えています。「廃止か存続か」という二択ではなく、より多様な選択肢を作ることで、生徒も教員も幸せになる未来を目指したいものです。

ABOUT ME
ひと息さん
ひと息さん
7年間教員として子どもたちや保護者と関わる中で、「人生の計画を立てることの大切さ」を感じてきました。先生の仕事、プライベートの充実、節約貯金投資など、頑張りすぎず、でも前向きに。そんな働き方や暮らし方を一緒に考えられる場を目指します。FP3級/メンタルヘルス・マネジメント2種3種/基本情報技術者試験