教員でも副業できる?公立・私立・非常勤で変わるルールを完全解説

「副業に興味がある」という教員が今急に増えています。しかし、「教員は副業禁止じゃないの?」と思っている方も多いのが実状です。
実は、教員の副業が禁止かどうかは、勤務先の種類や雇用形態によって大きく変わります。公立の常勤教員と、私立の非常勤講師では、許可の仕組みが全然違います。
この記事では、勤務区分ごとに「何が許されて、何が禁止されるのか」を法令の根拠まで整理した上で、実際に副業を始める際の手順も解説します。
この記事でわかること
公立常勤・私立常勤・非常勤の副業ルールの違い、許可になりやすい副業の種類、申請の手順、注意点まで、すべてをまとめています。
📋 目次
- なぜ教員の副業が「禁止」になっているのか
- 根拠になる法律は2つ
- 勤務区分ごとの副業ルール比較
- 公立常勤教員の副業:許可になりやすいものとは
- 私立学校教員の副業
- 非常勤講師の副業
- 副業の許可申請の手順
- やっておくべき注意点
- まとめ
① なぜ教員の副業が「禁止」になっているのか
教員は公務員であり、国民・市民全体の奉仕者です。そのため、私的な利益を得る行動が公務の中立性や信頼性を損なうリスクがあると考えられています。
これを根拠にした「副業を制限する3つの原則」があります。
公務員の副業制限:3つの根拠
1. 信用失墜行為の禁止:公務員としての信頼を傷つける行為は禁止。副業の内容や評判がこれに該当すると問題になる。
2. 守秘義務:学校や教育に関して知った秘密を外に漏らしてはならない。副業の中で教育情報を使うと違反になる。
3. 職務に専念する義務:本業に支障が出る行動は控える。副業で体調を崩したり、勤務中に副業のことを考えたりすると該当する。
② 根拠になる法律は2つ
教員の副業に関わる法律は「地方公務員法」と「教育公務員特例法」の2つです。
地方公務員法 第38条(兼業の制限)
「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業の役員を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事してはならない。ただし、非常勤職員については、この限りでない。」
教育公務員特例法 第17条
「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。」
つまり、地方公務員法で「原則禁止」としているところに、教育公務員特例法が「ただし、教育に関連する副業なら許可しやすい」と緩和した仕組みになっています。
⚠️ 2025年の動向
2025年6月に総務省が「地方公務員の兼業許可に関する留意事項」という通知を発出しました。これにより、今後、各自治体で副業を認めやすくなる動きが予想されます。ただし、現時点では自治体の裁量による対応が続いています。
③ 勤務区分ごとの副業ルール比較
勤務先や雇用形態で、副業の扱いが大きく変わります。まず全体的な比較を見てください。
| 勤務区分 | 適用される法律 | 副業の可否 | 許可の窓口 |
|---|---|---|---|
| 公立学校・常勤教員 | 地方公務員法+教育公務員特例法 | 許可あり→可 | 教育委員会 |
| 公立学校・非常勤講師 | 地方公務員法の副業禁止規定は適用されない | 基本的に自由 | 不要(基本的に) |
| 私立学校・常勤教員 | 学校の就業規則 | 学校による | 勤務先の学校 |
| 私立学校・非常勤講師 | 学校の就業規則 | 比較的自由 | 勤務先の学校 |
| 国立学校教員 | 国家公務員法 | 許可あり→可 | 各省庁の決裁 |
④ 公立常勤教員の副業:許可になりやすいものとは
公立学校の常勤教員は、教育委員会の許可があれば副業が可能です。ただし、何でも許可されるわけではありません。
許可になりやすい副業
教育公務員特例法の「教育に関する」という条件に当たるものが許可されやすい傾向にあります。
許可になりやすいもの
- オンライン家庭教師・塾講師
- 教育書や教科書の執筆・監修
- 教育に関する講演・研修講師
- 教育系のWebコンテンツ作成(報酬なし)
- 小規模な不動産賃貸(相続物件など)
許可されにくいもの
- アフィリエイト収益を得たブログ運営
- 大規模な不動産投資
- 営利企業の役員や経営者
- 本業と利害関係になるもの
- 勤務時間中に行うもの
⚠️ ブログ運営への注意点
ブログ自体の運営は問題ありませんが、アフィリエイトや広告で収益を得る行為は営利目的の副業になるため、公立常勤教員としては許可が必要になります。許可を得ずに収益を上げていると懲戒処分になる可能性があります。
⑤ 私立学校教員の副業
私立学校の教員は公務員ではないため、地方公務員法や教育公務員特例法は適用されません。副業の可否は、勤務先の学校の就業規則で決まります。
就業規則に「副業禁止」と明記されている場合は副業が難しい一方で、「事前申請・承認を得れば可」としている学校も多くあります。
私立学校の場合のポイント
まず就業規則を確認するのが最初のステップです。「副業」「兼業」「アルバイト」のいずれかの項目で対応されているはずです。明確な規定がない場合は、人事部や校長に相談しましょう。
⑥ 非常勤講師の副業
公立学校の非常勤講師は「特別職地方公務員」として扱われるため、地方公務員法の副業禁止規定は原則として適用されません。つまり、複数の学校や教育機関で掛け持ちすることも基本的に可能です。
非常勤講師の中には、複数の教育機関を掛け持ちすることで収入を確保している방が多いのが実状です。ただし、自治体によって扱いが異なる場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
非常勤講師が活用しやすい副業
オンライン家庭教師サービス、塾講師、教育系のコンテンツ作成、書籍の執筆など、教育スキルを活かせる副業が特に向いています。
📌 おすすめサービス
教員スキルを活かして収入を得たい方には、オンライン家庭教師サービスが最も始めやすい選択肢です。
⑦ 副業の許可申請の手順(公立常勤教員向け)
公立常勤教員が副業を始める場合の、およそのステップです。
1
副業の内容を具体的にまとめる
「何を」「いつ」「どのくらいの時間で」するかを事前にまとめておくと、申請がスムーズになります。
2
校長に事前に相談する
正式な申請の前に、まず校長に副業の内容を説明し、事前の同意を得ておくことが大切です。
3
教育委員会に許可申請書を提出
各自治体の様式に従って「営利企業等従事許可申請書」を記入し、校長の同意を添えて提出します。
4
許可の結果を待つ
教育委員会の審査の結果を待ちます。許可が下りたら、副業を開始できます。
⚠️ 第3者からの依頼がある場合
執筆や講演などの依頼があった場合は、依頼書や契約書の写しを添付すると許可が下りやすくなります。「なんとなくやっている」より「具体的に説明できる」方が審査を通りやすい。
⑧ やっておくべき注意点
確定申告は必要になる場合がある
副業の収入が1月1日から12月31日までの1年間で20万円を超えた場合は確定申告が必要です。確定申告をしないと、過去に遡って課税されるだけでなく、重加算税にもなる可能性があります。
無断で副業をすると懲戒処分になる
公立常勤教員として許可を得ずに副業をしていた場合は、人事院の懲戒処分の指針に基づき、戒告や減給になることがあります。さらに信用を損なうような副業であると、停職や免職になる可能性もあります。
副業先の規定も確認する
本業の学校で許可を得たとしても、副業先の就業規則で副業としての受け入れが禁止されている場合は働けません。両方の規定を確認しておくことが大切です。
📌 転職を考えている教員へ
副業で収入を補えるようになると、転職も検討しやすくなります。教員経験者向けの転職エージェントが最も効果的です。
まとめ
教員の副業は「全面禁止」ではなく、勤務区分と副業の内容によって変わる仕組みです。
- 公立常勤教員は教育委員会の許可があれば副業可能。教育に関する副業が許可されやすい
- 非常勤講師は地方公務員法の副業禁止規定が適用されず、基本的に自由
- 私立学校教員は就業規則で判断される
- 許可を得ずに副業すると懲戒処分になる可能性がある
- 副業収入が20万円を超えたら確定申告を忘れずに
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