はじめに

教員の皆さん、老後資金や資産形成について考えたことはありますか?「NISA」「iDeCo」という言葉は聞いたことがあっても、「自分にとって何が最適なのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、教員という職業の特性を踏まえながら、よくある2つの疑問「オルカン1本でいいのか?」「iDeCoは満額やるべきか?」について考えていきます。

教員の資産形成における特徴

まず、教員という職業には以下のような特徴があります。

安定した収入:公立・私立を問わず、比較的安定した給与体系が整っています。急激な収入の増減が少ないため、長期的な資産形成の計画が立てやすい職業です。

退職金制度:多くの教員には退職金制度があり、老後資金の一部は確保されています。ただし、退職金だけで老後が安泰とは言えない時代になっています。

年功序列の給与体系:若手時代は給与が比較的低めで、年齢とともに上がっていく傾向があります。つまり、若い時期は投資に回せる資金が限られる可能性があります。

疑問1:教員はオルカン1本でいいのか?

結論から言えば、多くの教員にとってオルカン(オール・カントリー)1本は合理的な選択肢です。

オール・カントリー(全世界株式インデックスファンド)は、日本を含む世界中の株式市場に分散投資できる商品です。この選択肢が教員に向いている理由をいくつか挙げます。

十分な分散が効いており、個別の国や地域の経済リスクを軽減できます。世界経済全体の成長に投資することで、特定の市場に依存しないポートフォリオが作れます。また、シンプルで管理しやすく、忙しい教員生活の中でも続けやすいのが利点です。商品選びに悩む時間や、リバランスの手間も最小限で済みます。

さらに、低コストの商品が多く、信託報酬が年0.05~0.1%程度の優良商品が揃っているため、長期投資において手数料負担を抑えられます。

ただし、すべての人にオルカン1本が最適とは限りません。退職金を受け取る時期を考えると、退職が近づいてきたら徐々に債券などの安定資産を組み入れることも検討すべきでしょう。また、すでに日本の不動産を持っている場合や、円資産が多い場合は、あえて国内資産の比率を下げる選択肢もあります。

より積極的にリターンを狙いたい方は、米国株式や新興国株式の比率を高めることも考えられますが、その分リスクも高まることを理解しておく必要があります。

疑問2:iDeCoは満額やるべき?

こちらは一概には言えず、個人の状況によって判断が分かれます。

まず、iDeCoのメリットを確認しましょう。掛金が全額所得控除になるため、所得税・住民税が軽減されます。教員の平均的な所得層であれば、税制メリットは大きいでしょう。運用益が非課税で、通常の投資では約20%課税される運用益がゼロになります。受取時も退職所得控除や公的年金等控除が使えるため、税制上有利です。

一方で、デメリットや注意点もあります。最大のデメリットは60歳まで原則引き出せないことです。教育費や住宅購入など、途中で大きな出費が予想される場合は慎重に考える必要があります。また、公務員の場合、掛金上限が月2万円(年24万円)と限られています。私立学校教員の場合は企業型確定拠出年金の有無によって上限が変わります。

さらに、口座管理手数料が年間2,000円程度かかるため、少額投資の場合は手数料負担の比率が高くなる点にも注意が必要です。

満額やるべきかの判断基準としては、以下を考慮してください。

緊急資金として生活費の3~6ヶ月分が確保できているか。今後5~10年以内に大きな出費(住宅購入、子どもの教育費など)の予定がないか。iDeCo以外にもNISAなど、流動性のある投資枠を活用しているか。

これらの条件を満たしているなら、税制メリットを最大限活用するために満額拠出は合理的です。ただし、若手教員で貯蓄が少ない場合や、近い将来に大きな出費が予想される場合は、無理に満額にせず、月5,000円からスタートして徐々に増やすという選択肢もあります。

教員におすすめの資産形成プラン例

ケース1:20代~30代前半の若手教員

まずは緊急資金として100万円程度を貯蓄します。次に新NISAのつみたて投資枠で月3万円、オルカン1本で積立を開始します。余裕があればiDeCoを月5,000円~1万円程度でスタートし、給与が上がるタイミングで増額を検討します。

ケース2:30代後半~40代の中堅教員

緊急資金は確保済みという前提で、新NISAのつみたて投資枠を月10万円、オルカンまたはS&P500で運用します。iDeCoは満額(月2万円)を拠出し、余裕資金で成長投資枠も活用を検討します。

ケース3:50代のベテラン教員

退職が視野に入ってきたら、徐々にリスク資産の比率を下げることを検討します。新NISA・iDeCoは継続しつつ、ポートフォリオに債券を組み入れます。退職金の受取時期とiDeCoの受取時期を調整し、税制メリットを最大化します。

まとめ

教員の資産形成において、オルカン1本という選択肢はシンプルで効果的です。分散が効いており、長期投資に適した商品として多くの方に推奨できます。

iDeCoについては、税制メリットは大きいものの、60歳まで引き出せない制約を考慮し、ライフプランに合わせて掛金を調整することが重要です。満額にこだわらず、自分の状況に合った金額からスタートすることをおすすめします。

最後に、投資は自己責任です。この記事はあくまで一般的な考え方を示したものであり、個別の状況によって最適解は異なります。不安な場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも検討してください。

教員という安定した職業だからこそ、長期的な視点で着実に資産形成を進めていきましょう。

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ひと息さん
ひと息さん
7年間教員として子どもたちや保護者と関わる中で、「人生の計画を立てることの大切さ」を感じてきました。先生の仕事、プライベートの充実、節約貯金投資など、頑張りすぎず、でも前向きに。そんな働き方や暮らし方を一緒に考えられる場を目指します。FP3級/メンタルヘルス・マネジメント2種3種/基本情報技術者試験