【2026年度】教員の給与はどれくらい上がる?給特法改正の影響を年収ベースで解説

2026年度から、教員の給与制度が大きく変わります。給特法(教職員給与特別措置法)の改正により、多くの先生方の手取りが増える見込みです。
「実際にいくら上がるの?」「自分の年収はどう変わる?」そんな疑問を持つ先生方に向けて、現役教員の視点から改正内容と具体的な影響額を解説します。
給特法改正の3つのポイント
2026年度から適用される給特法改正の核心は、以下の3点です。
1. 教職調整額の引き上げ
これまで基本給の4%だった教職調整額が、10%以上に引き上げられます。これが今回の改正で最も大きなインパクトを持つ部分です。
教職調整額とは、教員の時間外勤務に対する手当として支給される定額の手当のこと。残業代が出ない代わりに、この調整額が支払われる仕組みになっています。
2. 基本給のベースアップ
人事院勧告に基づき、公務員全体の給与水準も引き上げられています。教員も例外ではなく、基本給自体が上昇する見込みです。
3. 地域手当の見直し
一部の地域では、地域手当の支給率も調整されます。都市部で働く教員にとっては、さらなる給与改善が期待できます。
年代別・具体的な年収への影響
それでは、実際にどれくらい年収が上がるのか、年代別にシミュレーションしてみましょう。
20代教員(教職経験1〜5年目)の場合
改正前の想定年収:約350万円〜420万円
教職調整額4%の場合:月額約8,000円〜10,000円 教職調整額10%の場合:月額約20,000円〜25,000円
年間の増加額:約14万円〜18万円 改正後の想定年収:約365万円〜440万円
若手教員にとっては、月1万円以上の手取り増は生活の安定につながります。奨学金返済や一人暮らしの家賃負担を考えると、この増額は大きな意味を持ちます。
30代教員(教職経験6〜15年目)の場合
改正前の想定年収:約450万円〜580万円
教職調整額4%の場合:月額約12,000円〜15,000円 教職調整額10%の場合:月額約30,000円〜37,500円
年間の増加額:約22万円〜27万円 改正後の想定年収:約475万円〜610万円
中堅教員は責任も増え、学年主任や校務分掌の中心を担う世代。家族を持つ先生も多く、年間20万円以上の増額は教育費や住宅ローンの支払いに充てられます。
40代教員(教職経験16〜25年目)の場合
改正前の想定年収:約600万円〜720万円
教職調整額4%の場合:月額約16,000円〜19,000円 教職調整額10%の場合:月額約40,000円〜47,500円
年間の増加額:約29万円〜34万円 改正後の想定年収:約630万円〜755万円
ベテラン教員として学校運営の要を担う世代。子どもの大学進学や老後資金の準備を考える時期に、年間30万円前後の増額は資産形成の大きな後押しになります。
50代教員(教職経験26年目以上)の場合
改正前の想定年収:約700万円〜800万円
教職調整額4%の場合:月額約18,000円〜21,000円 教職調整額10%の場合:月額約45,000円〜52,500円
年間の増加額:約32万円〜38万円 改正後の想定年収:約735万円〜840万円
定年が近づく世代にとって、退職金の算定基礎となる給料月額が上がることは、退職後の生活設計にも影響します。
ボーナス(期末・勤勉手当)への影響
見落としがちですが、教職調整額の引き上げはボーナスにも反映されます。
ボーナスは基本給をベースに計算されるため、教職調整額が上がれば、その分ボーナスの額も増加します。年間で考えると、さらに数万円の増額が見込めます。
例えば、30代教員の場合、年間のボーナス増加額は約5万円〜8万円程度になる計算です。
改正のタイミングと反映時期
給特法改正は2026年4月から施行されますが、実際の給与への反映時期は自治体によって若干異なる可能性があります。
多くの場合、以下のスケジュールが想定されます。
- 2026年4月:新年度スタート、新給与体系適用開始
- 2026年5月支給分:4月分の給与から新制度反映
- 2026年6月支給分:最初のボーナスにも反映
自治体の条例改正のタイミングによっては、遡及適用される場合もあるため、お住まいの自治体の人事委員会や教育委員会からの通知を確認しましょう。
手取り額はどれくらい増える?
年収が上がっても、実際に手元に残るお金(手取り)がどれくらい増えるかが重要です。
給与が上がると、以下の項目も増額されます。
- 所得税
- 住民税
- 社会保険料(厚生年金、健康保険)
概算ですが、年収増加分の約20〜25%は税金・社会保険料として差し引かれます。
つまり、年間20万円の年収増があった場合、手取りの増加は約15万円〜16万円程度になります。それでも月額で1万円以上の手取り増は、家計にとって大きなプラスです。
給与アップを資産形成に活かす3つの方法
せっかくの給与増。使い道を考えることも大切ですが、将来のために賢く活用する方法もあります。
1. つみたてNISAの増額
月々の積立額を5,000円〜1万円増やすだけで、20年後には大きな差が生まれます。新NISAを活用すれば、運用益が非課税になるため、効率的に資産を増やせます。
2. iDeCoの拠出額アップ
教員は退職金がある分、老後資金が比較的安定していますが、iDeCoを活用すればさらに上乗せできます。掛金が全額所得控除になるため、節税効果も期待できます。
3. 奨学金の繰り上げ返済
若手教員の方は、増えた給与分を奨学金の繰り上げ返済に充てるのも一案です。利息の負担を減らし、早期完済を目指せます。
よくある質問
Q1. 非常勤講師や臨時的任用教員も対象?
基本的には正規教員が対象ですが、自治体によっては非常勤講師や会計年度任用職員の給与体系も見直される可能性があります。詳細は各自治体の教育委員会に確認してください。
Q2. 私立学校の教員は?
給特法は公立学校の教員を対象とした法律です。私立学校の教員の給与は各学校法人の規定によるため、直接的な影響はありません。ただし、人材確保の観点から私立学校でも給与改定が検討される可能性はあります。
Q3. 部活動指導の手当は別?
部活動指導に対する手当(部活動指導員手当など)は、教職調整額とは別の制度です。今回の改正とは直接関係ありませんが、今後の働き方改革の中で見直される可能性はあります。
まとめ:給与改善を前向きに捉えて
給特法改正による給与アップは、教員の処遇改善に向けた大きな一歩です。
年間で15万円〜35万円程度の年収増は、日々の生活の安定だけでなく、将来への投資や家族との時間を充実させる選択肢を広げてくれます。
ただし、給与が上がっても働き方が変わらなければ、根本的な問題解決にはなりません。給与改善と並行して、業務の効率化や働き方改革も進めていくことが、教員という仕事を持続可能にする鍵だと感じています。
この給与アップを、自分自身の生活や将来を見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。








