先生を辞めて民間企業へ|転職活動のリアルな記録と内定までの道のり

「教師を辞めたい」「民間企業で働いてみたい」――そう考えたことはありませんか?
私は公立中学校で7年間教師として働く中で、民間企業への転職を決意しました。教育現場でのやりがいはありましたが、長時間労働や閉鎖的な環境に限界を感じ、新しいキャリアを模索することにしました。
この記事では、教師から民間企業への転職活動における成功と失敗、そして内定を獲得するまでのリアルな道のりを赤裸々に綴ります。同じように転職を考えている先生方の参考になれば幸いです。
転職を決意した理由
限界を感じた教員生活の現実
教師になった当初は、生徒の成長を見守れることに大きなやりがいを感じていました。しかし、年を重ねるごとに、以下のような問題に直面するようになりました。
長時間労働の常態化
- 平均退勤時間:20時〜21時
- 土日も部活動指導で休めない
- 持ち帰り仕事は当たり前
- 年間休日は実質80日程度
閉鎖的な職場環境
- 年功序列の文化が根強い
- 新しい取り組みへの抵抗感
- 限られた人間関係の中での人事異動
- 外の世界との接点の少なさ
給与の伸び悩み
- 年功序列で昇給は緩やか
- 管理職にならない限り大幅な給与アップは望めない
- 残業代はみなし残業(教職調整額)のみ
- 副業も原則禁止
これらの要因が重なり、「このまま定年まで教師を続けるのか」という疑問が膨らんでいきました。
転職を決意した決定的な出来事
転職を本気で考え始めたのは、同僚の体調不良がきっかけでした。
ベテランの先生が過労で倒れたのです。「次は自分かもしれない」という恐怖を感じ、真剣に今後のキャリアを考えるようになりました。
また、20代後半という年齢も転職を後押ししました。「転職するなら今しかない」というタイムリミットを感じたのです。
転職活動のスタート|情報収集と自己分析
まずは情報収集から
転職を決意したものの、民間企業での働き方について何も知らなかった私は、まず情報収集から始めました。
活用した情報源
- 転職エージェントへの登録(リクルートエージェント、doda、マイナビエージェント)
- 転職サイトの閲覧(リクナビNEXT、ビズリーチ)
- 教師からの転職に関するブログや体験談
- キャリアカウンセリングの利用
この段階で衝撃を受けたのは、教師のスキルが民間企業で思ったほど評価されないという現実でした。
教師の市場価値を知る
転職エージェントとの初回面談で、厳しい現実を突きつけられました。
「教師の経験は素晴らしいですが、民間企業が求めるスキルとは少しズレがあります。書類選考の通過率は10%以下を覚悟してください」
この言葉に、最初は大きなショックを受けました。しかし、これが転職活動の出発点となりました。
徹底的な自己分析
民間企業で通用するためには、教師としての経験を「ビジネススキル」に翻訳する必要があると気づきました。
教師経験のスキル転換例
| 教師としての経験 | ビジネススキルへの変換 |
|---|---|
| 授業設計・実施 | プレゼンテーションスキル、カリキュラム設計能力 |
| 保護者対応 | 顧客対応力、コミュニケーション能力 |
| 学級経営 | チームマネジメント、リーダーシップ |
| 校務分掌の業務 | プロジェクト管理、業務改善能力 |
| ICT活用教育 | デジタルツール活用能力 |
| 部活動指導 | チームビルディング、目標達成能力 |
このように、自分の経験を民間企業の言葉で説明できるよう準備を進めました。
志望業界・職種の選定
教師から目指せる職種
転職エージェントのアドバイスと自己分析を元に、以下の職種を検討しました。
1. 教育業界(EdTech企業、塾・予備校)
- メリット:教師経験が直接活かせる
- デメリット:給与水準は教師と大差ない場合も
2. 人材業界(採用コンサル、研修企画)
- メリット:「人を育てる」経験が評価される
- デメリット:営業要素が強い場合も
3. カスタマーサクセス・カスタマーサポート
- メリット:コミュニケーション能力が活かせる
- デメリット:未経験からのスタート
4. 営業職(法人営業)
- メリット:成果次第で高収入が狙える
- デメリット:ノルマのプレッシャー
5. 事務・総務・人事
- メリット:働き方が安定している
- デメリット:競争率が高い
私が選んだ志望職種
最終的に、以下の3つの職種を中心に応募することにしました。
- EdTech企業のカスタマーサクセス:教師経験を活かしつつ、新しいスキルも身につけられる
- 人材会社の研修企画・営業:教育に関わりながら、ビジネススキルも磨ける
- IT企業のカスタマーサポート:成長業界でキャリアを築ける
転職活動の実際|応募から面接まで
応募状況の記録
転職活動を始めてから内定までの約4ヶ月間で、以下のような応募をしました。
応募企業数:22社
- 書類選考通過:5社(通過率22.7%)
- 一次面接通過:2社
- 二次面接通過:2社
- 最終面接通過:1社
- 内定獲得:1社
予想通り、書類選考の通過率は低い結果となりました。
書類選考で苦戦した理由
初期の書類選考では、ほぼすべて不合格でした。エージェントからフィードバックをもらい、以下の問題点が明らかになりました。
失敗していた履歴書・職務経歴書
- 教師の業務内容を羅列するだけ
- 具体的な成果・数字がない
- 志望動機が「教師を辞めたい」というネガティブな理由
- 民間企業で活かせるスキルが不明確
書類を改善した結果
エージェントのアドバイスを受け、職務経歴書を大幅に改善しました。
改善後の職務経歴書のポイント
before: 「学級担任として生徒の指導を行った」 after: 「40名の生徒のモチベーション管理とキャリア支援を担当。面談を通じた個別支援により、クラスの進路希望達成率を95%に向上」
before: 「保護者対応を行った」 after: 「年間約200件の保護者面談・対応を実施。課題のある生徒の保護者と継続的なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築。」
before: 「校務分掌でICT推進を担当した」 after: 「学校のICT導入プロジェクトリーダーを務め、生徒100名へのデジタルツール研修を企画・実施。オンライン授業の円滑な導入に貢献し、教員のICT活用率を30%から85%に向上」
このように、具体的な数字と成果を盛り込むことで、書類選考の通過率が徐々に上がっていきました。
面接での戦い|3社の面接で学んだこと
1社目:IT企業(カスタマーサクセス)
結果:一次面接で不合格
最初の面接は緊張のあまり、うまく話せませんでした。
失敗した質問 「なぜ教師を辞めるのですか?」 → 長時間労働や労働環境の愚痴を言ってしまい、ネガティブな印象に
学んだこと
- 転職理由はポジティブに伝える
- 「逃げ」ではなく「挑戦」として語る
- 企業研究が不十分だった
2社目:人材会社(研修企画営業)
結果:一次面接で不合格
企業研究は十分にしたものの、営業に対する理解が浅く、「本当に営業をやりたいのか?」という疑念を持たれてしまいました。
失敗した質問 「営業経験がないようですが、ノルマのプレッシャーに耐えられますか?」 → 「大丈夫だと思います」と曖昧に答えてしまった
学んだこと
- 職種への理解を深める必要がある
- 覚悟や意欲を具体的に伝える
- 「思います」ではなく、根拠を示す
企業面接の改善
改善したポイント
- 転職理由を「新しい挑戦」として前向きに表現
- 教師経験を具体的なエピソードで説明
- 志望企業の事業内容を深く研究
- 入社後のビジョンを明確に語る
特に効果的だったのは、「なぜこの会社なのか」を具体的に語ることでした。
例:「御社の『教育×テクノロジーで学びを変える』というミッションに共感しました。7年間の教育現場で、デジタルツールによって生徒の学習効率が向上するのを目の当たりにし、この領域でより多くの人に価値を届けたいと考えています」
3社目:IT企業(カスタマーサポート)
結果:内定獲得!
これまでの面接経験を活かし、準備万端で臨みました。
一次面接(人事)
- 転職理由:前向きな挑戦として表現
- 教師経験:具体的な成果を数字で説明
- 志望動機:企業理念と自分の経験を結びつける
二次面接(配属予定部署の責任者)
- 業務内容への理解を深く示す
- 教師経験がどう活かせるかを具体的に提示
- 入社後のキャリアビジョンを語る
最終面接(役員)
- 企業のビジョンに対する共感を熱く語る
- 困難を乗り越えた教師時代のエピソード
- 「なぜあなたを採用すべきか」を明確に伝える
そして、面接から1週間後、待望の内定通知を受け取りました。
内定後の決断|教師を辞める決意
学校への退職意思表示
内定を得た後、最も悩んだのが学校への退職の伝え方でした。
年度途中での退職は避けたかったため、次年度の人事が決まる前の10月に校長に退職の意向を伝えました。
校長との面談
- 「民間企業への転職を決意しました」
- 「年度末での退職を希望します」
- 「残りの期間、責任を持って業務を遂行します」
校長からは慰留されましたが、決意は固く、最終的には理解していただけました。
教師から民間企業への転職|成功のポイント
転職活動を振り返り、成功のために重要だったポイントをまとめます。
1. 早めの準備と情報収集
転職を考え始めたら、まずは情報収集から始めましょう。
- 転職エージェントへの登録(複数)
- 業界研究・職種研究
- 転職市場における自分の価値を知る
- 必要なスキルの洗い出し
2. 教師経験の「翻訳」
教師の経験を民間企業で理解される言葉に変換することが重要です。
- 具体的な数字で成果を示す
- ビジネス用語で表現する
- 「何ができるか」を明確にする
3. 志望業界・職種の絞り込み
闇雲に応募するのではなく、自分の強みが活かせる業界・職種を見極めましょう。
教師経験が評価されやすい業界
- 教育業界(EdTech、塾・予備校)
- 人材業界(研修、採用支援)
- カスタマーサクセス・サポート
4. 面接対策の徹底
面接は場数が重要です。失敗から学び、改善を重ねましょう。
- 転職理由はポジティブに
- 志望動機は企業ごとにカスタマイズ
- 具体的なエピソードで説得力を持たせる
- 企業研究を徹底する
5. タイミングの見極め
年度途中での退職は避け、学校に迷惑をかけないタイミングを選びましょう。
- 退職希望の6ヶ月前には意思表示
- 引き継ぎを丁寧に行う
- 最後まで責任を持って業務を遂行
転職を考えている先生へのメッセージ
教師から民間企業への転職は、決して簡単な道のりではありません。
書類選考での不合格が続き、自信を失いそうになることもありました。しかし、諦めずに準備と改善を重ねることで、必ず道は開けます。
転職を考えている先生へ
- 教師の経験は決して無駄ではありません
- ただし、それを「民間企業の言葉」で表現する必要があります
- 年齢が若いほど有利ですが、30代でも十分可能です
- 転職エージェントを活用しましょう
- 失敗を恐れず、行動を起こすことが大切です
私は転職して本当に良かったと感じています。教師という仕事にやりがいはありましたが、今は新しい環境で、新しいスキルを学びながら働けることに充実感を感じています。
もしあなたが教師を続けることに疑問を感じているなら、まずは情報収集から始めてみてください。転職するかしないかは、その後に決めればいいのです。
新しい一歩を踏み出す勇気を持つこと。それが、あなたの人生を変える第一歩になるかもしれません。
この記事が、教師からの転職を考えている方の参考になれば幸いです。








