「定年まで働き続けるのが当たり前」——そう思っていた教員時代、ふと立ち止まって考えました。「もし50代で退職したら、お金は大丈夫なのだろうか?」

完全な早期リタイアじゃなくていい。ただ、「好きな時に、好きな働き方を選べる状態」になりたい。それが私の目指す“ゆるFIRE”です。

この記事では、教員という職業の特性を活かしながら、退職後も焦らないお金の設計図をロードマップ形式でお伝えします。

📌 この記事でわかること

  • 教員にとっての”ゆるFIRE”とは何か
  • 退職後のお金を支える「3本柱」の考え方
  • 教員年代別(20代〜50代)の具体的なアクションプラン
  • 共済年金・退職金・NISA をどう組み合わせるか
  • 「今日から始める」ための最初の一歩

そもそも”ゆるFIRE”って何?

FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは「経済的自立+早期退職」を意味する考え方です。ただ、教員にとって「完全リタイア」はそぐわない場合も多い。そこで注目したいのが“ゆるFIRE”という考え方です。

種類イメージ教員向けかどうか
フルFIRE完全リタイア。働かず資産だけで生活△ 多額の資産が必要
サイドFIRE生活費の一部を副収入で補いながら早期退職○ 現実的
ゆるFIRE完全退職せず、好きな仕事を好きなペースで続ける◎ 教員スキルが活かせる

教員は「指導力・コミュニケーション力・専門知識」という強みがあります。定年後も家庭教師・塾講師・講演・カウンセリングなど、好きなペースで収入を得られる選択肢が豊富です。だからこそ”ゆるFIRE”は、教員ととても相性がいい考え方なのです。

💡 ゆるFIREのゴールイメージ
「お金のために働かなければならない」状態から抜け出し、「やりがいや好奇心で働ける」状態を目指す。そのために若いうちからお金の設計図を描いておくことが大切です。

退職後のお金を支える「3本柱」

ゆるFIREを実現するために必要なのは、退職後の収入源を複数持つことです。教員の場合、次の3本柱が基本となります。

🏛️

① 退職金・共済年金

教員ならではの公的な安定収入。しっかり理解して最大限活用する

📈

② 資産運用(NISA等)

現役中に積み立てた投資資産を退職後の生活費に充てる

💼

③ 副収入・ゆる労働

教員スキルを活かした家庭教師・講演・相談業など

この3本柱をバランスよく準備することで、退職後も安心して生活できる設計図が完成します。それぞれを詳しく見ていきましょう。

柱①:退職金・共済年金をしっかり把握する

教員(公立)の退職金と共済年金は、民間企業と比べてもかなり手厚い制度です。しかし、意外と「自分がいくらもらえるか」を知らない先生が多いのが現実です。

項目目安額(公立教員・定年退職の場合)
退職金(勤続35年)約2,000万〜2,300万円
共済年金(月額)約16万〜20万円(個人差あり)
老齢基礎年金(月額)約6万〜7万円
年金合計(月額目安)約22万〜27万円

※金額はあくまで目安です。勤続年数・加入期間・給与水準によって大きく異なります。

✅ まずここを確認しよう
勤務先の共済組合(例:文部科学省共済組合など)のポータルサイトや年金定期便で、「ねんきん定期便」「退職給付の試算」を確認できます。自分の数字を把握することが設計図づくりの出発点です。

柱②:NISAで資産を育てる(現役中の積立が鍵)

共済年金だけでは生活費を完全にカバーできないケースも多く、また「年金だけに頼るリスク」を分散させることが重要です。そこで活用したいのが新NISAです。

積立額(月)10年後20年後30年後
月1万円約147万円約367万円約697万円
月3万円約441万円約1,100万円約2,092万円
月5万円約735万円約1,834万円約3,487万円

※年率4%で複利運用した場合の試算。投資の運用成績は保証されません。

月3万円を20代から30年積み立てた場合、退職時に約2,000万円超の資産が形成できる計算になります。これが退職金と合わさると、かなり強固な土台になります。

🔑 NISAで選ぶべき商品(初心者向け)
全世界株式インデックスファンド(例:eMAXIS Slim 全世界株式)がおすすめです。低コストで世界中に分散投資でき、長期積立に最適です。難しく考えず「これ一本を毎月自動購入」する設定だけでOKです。

柱③:教員スキルを活かした「ゆる収入」を設計する

退職後も無理なく稼げる仕組みを、現役中から少しずつ準備しておくことが”ゆるFIRE”の核心です。教員には、退職後も活かせるスキルが豊富にあります。

活動月収目安必要な準備
家庭教師・個別指導3〜10万円口コミ・紹介ネットワーク
学習塾の非常勤講師5〜15万円求人登録・採用面接
教育系ブログ・SNS発信1〜5万円現役中から少しずつ発信
相談・コーチング業3〜10万円資格取得・実績づくり
自治体・NPOの講師1〜3万円人脈・実績

月5〜10万円の「ゆる収入」があるだけで、資産の取り崩しスピードが大幅に落ち、精神的な安心感も大きく変わります。

年代別ロードマップ:今の自分に何をすればいい?

ゆるFIREの設計図は「今、自分が何歳か」によって取るべきアクションが変わります。年代別のロードマップを確認しましょう。

20

20代

「仕組みを作る」フェーズ

最大の武器は「時間」。少額でも早く始めることが何より重要です。

  • NISA口座を開設し、月1〜3万円の積立を自動設定
  • 固定費(スマホ・保険)を見直して投資資金を確保
  • 共済年金の仕組みを基礎から理解する
  • 副業・発信活動の種まきを始める(ブログ・SNS等)

30

30代

「加速させる」フェーズ

給与が上がり始める時期。生活水準を上げすぎず、投資額を増やすチャンスです。

  • NISAの積立額を月3〜5万円に増額
  • 「ねんきん定期便」で退職後の試算を初めて確認する
  • 副収入の柱を1つ育てる(教育系副業・資格取得)
  • 住宅ローンを組む場合は返済計画と資産形成を両立させる

40

40代

「設計図を具体化する」フェーズ

退職後の生活が現実感を帯びてくる時期。数字を具体的に詰めましょう。

  • 退職金の試算を共済組合で正式に確認
  • 「老後に必要な金額」を自分なりに計算する
  • NISA資産の出口戦略(いつ・どう使うか)を考え始める
  • 副収入が育っていれば早期退職・転職の選択肢も視野に

50

50代

「着地を整える」フェーズ

退職後の生活をリアルにシミュレーションし、残りの現役期間で最終調整をします。

  • 退職時期を具体的に検討(定年 or 早期退職)
  • リスク資産(株式)の比率を徐々に落とし、安定運用へシフト
  • 退職後の「ゆる労働」の形を具体的に決める
  • FPへの相談・ライフプランの最終見直しを行う

具体的なお金の設計図シミュレーション

仮に30代前半の教員が55歳でゆるFIREを目指すケースで考えてみましょう。

現在(30歳)

月3万円のNISA積立スタート。固定費見直しで月1万円を捻出。副業(ブログ・家庭教師)の種まき開始。

10年後(40歳)

NISA資産:約441万円。副収入が月3万円に育っている状態を目標。退職金・年金の試算を初確認。

20年後(50歳)

NISA資産:約1,100万円。副収入:月5〜8万円。退職後の生活費シミュレーション開始。出口戦略を検討。

25年後(55歳)ゆるFIRE

退職金:約1,500万〜2,000万円(早期退職のため減額)。NISA資産:約1,800万円。副収入:月5万円。共済年金は65歳から受給。

35年後(65歳)

共済年金+老齢基礎年金の受給開始(月約22万〜27万円)。NISA資産は温存 or 一部取り崩し。副収入も継続。

💡 ポイント:55歳〜65歳の「空白の10年」をどう乗り越えるか
早期退職の場合、年金受給開始までの約10年間が最大の課題です。この期間は「NISA資産の取り崩し」+「副収入(月5〜10万円)」で乗り越えるのがゆるFIREの核心です。完全にお金が尽きる心配をなくすには、この10年分の生活費(目安:2,000〜3,000万円)を確保することを目標にしましょう。

ゆるFIREを目指す上での注意点

夢のある話だけでなく、現実的なリスクも理解しておくことが大切です。

早期退職すると退職金・年金が減る:定年まで勤めた場合と比較して、退職金は勤続年数に応じて減少します。また共済年金も加入期間が短くなるため、月額が下がります。早期退職を選ぶ場合は、その差額を資産運用や副収入で補う計画が必要です。

インフレ・市場リスクを考慮する:投資はリターンが保証されるものではありません。長期・分散・積立の原則を守りながら、過度なリスクを取らない設計が重要です。老後に近づくにつれてリスク資産の比率を下げる「ライフサイクル運用」も検討しましょう。

「ゆる労働」も計画的に準備が必要:退職してから副収入を探し始めても、すぐには収入が安定しません。現役中から人脈・実績・スキルの種まきをコツコツ続けることが、ゆるFIREの成否を分けます。

まとめ:教員のゆるFIREロードマップ、最初の一歩

退職後も焦らないお金の設計図は、「早く知って、少しずつ動く」ことで誰でも描けます。難しい知識は必要ありません。

✅ 今日できる3つのアクション

  • 「ねんきん定期便」を確認する:自分が将来もらえる年金の目安を把握する
  • NISA口座を開設(または積立額を増やす):月1万円からでも今日始めることが一番大事
  • 退職後の「ゆる収入」を1つ考える:家庭教師・ブログ・資格活用など、得意なことを書き出してみる

「定年まで頑張り続けるしかない」ではなく、「選択肢を持った働き方」を手に入れること——それがゆるFIREの本質です。

教員という仕事は、人の人生に関わる素晴らしい仕事です。だからこそ、自分自身の人生設計も大切にしてほしいと思っています。このブログが、あなたの「ひと息」になれたら嬉しいです。

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FP3級 / メンタルヘルス・マネジメント2種3種 / 基本情報技術者試験

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7年間、教員として子どもたち・保護者と関わってきました。「人生の計画を立てることの大切さ」を伝えるブログを運営中。先生の仕事・プライベートの充実・節約貯金投資など、頑張りすぎず前向きな働き方・暮らし方を一緒に考えます。

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7年間教員として子どもたちや保護者と関わる中で、「人生の計画を立てることの大切さ」を感じてきました。先生の仕事、プライベートの充実、節約貯金投資など、頑張りすぎず、でも前向きに。そんな働き方や暮らし方を一緒に考えられる場を目指します。FP3級/メンタルヘルス・マネジメント2種3種/基本情報技術者試験